特急列車に、その車両の前から乗ると、寝ているオッチャン達の姿をたくさん見ることができます。特に駅間の長い長距離特急は、乗客の大半が寝てはります。みなさまホンマにお疲れさまです。
さてさて、問題はその寝方なのです。昨日、鯖江市での仕事の帰りの「雷鳥34号」も、そんなお疲れのオッチャン達がたくさん乗って寝てはりましたが、大半の方が、写真のような後頭部に寝癖をつけてはりました。「あとは家に帰るだけ」の人ならエエでしょうけど、これから営業所に戻って業務報告と、もう一件だけ得意先を回るという人に、この寝癖は大減点でしょう。「あんた、さっきまで寝てましたな?よろしゅうおますなぁ」と突っ込まれそう。
この寝癖がどうして付くのか、昨日は原因究明にジックリとオッチャン観察させてもらいました。
その結果わかったことは、一次的には、「椅子に浅く掛けること」が原因だと判明しました。腰を背もたれの所までキチンともっていき座ると(深く掛けると)、例え背もたれに頭が当たって寝ても、頭はそんなに大きくズレません。
ところが、浅く腰を掛けると、寝ている間に腰はドンドン前にズレていきます。ということは、背もたれに当たる頭の位置が、それとともに下がっていきます。下がりながらも、身体は姿勢を保とうと尻と頭の2点で支えようと力を加えます。その結果、髪の毛は強い力で背もたれに押しつけられ、そこに暖房や汗などの湿気が加わり、さらに寝癖が固められていくのです。
どうしても寝たい!だけど、寝癖はつけたくない!
そういう時は、椅子に深く腰掛けリクライニングをあまり倒しすぎず、できれば頭を前に傾ける感じで寝ると良いでしょう。
さて、「一次的には浅く腰掛けていることが原因」と書きました。根源的要因は、なぜ浅く椅子に掛けるのか?ということです。椅子に浅く掛ける人の大半は、お腹が突き出ているか、もしくは腹筋が弱い人です。深く腰掛けると、腹筋と背筋で上半身を前後から支えないといけません。だけど、腹が突き出ていると、つねに反っくり返った状態の姿勢をとろうとします。すると、尻は前に出てきます。これが浅掛けを作り、そして寝癖を作ります。腹筋が弱くても同じ流れで朝駆けになります。
最近、通勤電車などで、足をドーンと前に出すアンチャン、オヤジ、ギャルなどがいますが、皆さん一様に腹筋が弱いわけです。朝掛けができるもう一つの特徴に、尻が薄いというのもあげられます。深掛けしようにも、シートのバケットで尻が止まらないのです。尻に肉がないので、引っかかりが効かず、ズルズルと尻が前に流れます。尻に肉が付かないのは、多分歩かないからでしょう。
というわけで、これからの時代は、ますます特急列車から出てくる寝癖人間が増えると思います。皆さま、お気を付けあそばせ。