昨晩のNHKクロ現「
街をさまよう若者たち~新しい形のホームレス~」を遅い昼ご飯を食べながら見ました。
最近注目(といっては失礼なんだけど)している話題に、ワーキングプアや若年ホームレスの問題があります。修士論文のテーマが「超過滞在外国人や資格外就労外国人への医療保障」だったので、社会の底辺で働く人々の動向は常に気になっています。僕も、月5万円以下で生活(家賃込み)していた時期が長く、いつあっち側に行くかわからないギリギリの生活をしていただけに、他人事とは思えません。
番組の中で、 日本女子大の岩田正美さんが、若年ホームレスについて、戸籍をたどれば存在は確認できるが、市民生活の主体たる市民ではないという主旨の発言をしていて、かつて接してきた外国人労働者の問題に、日本国籍をもつ、それも若者がリンクしてきたという認識をもちました。
あの論文を書いた頃よりも、日本の働く条件は悪くなってきているのですね。
岩田さんは、もう一つ、日本の社会保障の弱点は住宅保障と言ってました。震災やその他の災害時しかり、「○○入居お断り」が平気で横行する実態をみても、弱点だなぁと思います。
僕はあと二つ、日本の社会保障の弱点があると考えます。一つは主食の値段です。米の値段が高すぎます。もう少しいうと、「バランスのとれたまともな食事をするのに、金が掛かりすぎる」という点です。
もう一つ、これが最近決定的ではないかと思うのですが、移動に金が掛かりすぎるという点です。以前、NHKスペシャルでワーキングプアについての中で、面接会場まで行く金がなくて断念したという青年が映っていました。巨大な都市に仕事が集中する実態と、その都市の中を移動するのに、多額のお金が必要だということは、大きな負担になることです。ちょっと誰かと会おうと思っても、ちょっと勉強しようと思っても、電車で数駅往復しなければならないし、そのための交通費負担はどんどん大きくなってきます。日本ほど、移動にお金の掛かる国は無いんじゃないかと思います。
今回の、若年ホームレスもそうですし、ワーキングプアについても同様ですが、この交通費と絡んで言えることは、現在は、「地方に住んでいるというだけで、貧困あるいはその危機に直面しやすい」ということです。
せめて、今教えている学生達がワーキングプアやホームレスに陥らないような知恵と技術を伝えたいと思うのですが、なかなか難しいです。
さて、その「クロ現」ですが、今晩は「パイロットが足りない~アジアと日本の空で何が~」です。なんとも対照的な労働事情です。